消化器内科
【輸液】
ビーフリード
500mL/2hが添付文書ペース。菌血症リスクが高まるので6時間以上かけるのは良くない
【肝硬変】
Child-pugh分類
A... 1年生存率95%, 2年生存率90%
B... 1年生存率80%, 2年生存率70%
C... 1年生存率45%, 2年生存率38%
栄養
◎肝硬変患者は低栄養!
カロリー 普通は25-35 kcal/dayで良いが、肝性脳症があれば35 kcal/dayを目標に
たんぱく質 1.2-1.5 g/kg/day
マルチビタミン 脂溶性ADEK、アルコール性肝硬変ではV.B1, 葉酸も処方
塩分制限 NaCl≦5gでNa>120mEqまでは許容
治療
・スピロノラクトン50mg単剤
→→スピロノラクトン400mg + フロセミド160mgまで可能
(循環血漿量減少によりRAA系が亢進している)
難治性腹水にはサムスカを併用
・Alb大量輸液は生存率を改善する
スタディーでは40g x2/weekで2 week→以後40g/weekであった
・腹水穿刺… 5L以下なら合併症なく可能
SBP: 特発性細菌性腹膜炎
肝硬変患者の発熱の25%
60%でGNR検出
食道静脈瘤
瘤があればβ2も阻害する非選択的β受容体阻害薬を処方(血管拡張作用)
→カルベジロール
無ければ経過観察のみ
【肝性脳症】
分類
A型 急性肝不全
B型 肝血流シャント
C型 肝硬変
誘因
①窒素摂取の増加 消化管出血、たんぱく食、[便秘]
②電解質異常 低Na/低K、アシドーシス/アルカローシス、低酸素、脱水
④その他 感染症、急性肝障害など
治療
◎アミノレバン
500mL/3~5hが添付文書ペース。経口摂取可能になればEN配合散もある。
アミノ酸輸液により肝性脳症改善までの期間が有意に短縮した
◎ラクツロース + MNZ or RFMで肝性脳症改善までの期間が有意に短縮した
・ラクツロース
便秘薬、腸管内NH3→NH4+でアンモニア吸収阻害
初回は排便があるまで1~2時間おきに投与
・ABx... 腸内細菌叢の調整
リファキシミン® (RFM: リファマイシン)は難吸収性
整形外科診察
脱臼の整復
引っ張りながらゼロポジションへ。
頚椎症
Jackson…後屈してもらって上から圧迫
Spurling…後屈+患側に傾けてもらって上から圧迫
・病的反射もチェック
上肢病的反射... Hoffman/Tromner
https://www.youtube.com/watch?v=RAE56aTzDbc
下肢病的反射... Babinski/Chaddock
肩関節腱板損傷
neer/hawkins
骨折
受傷箇所の骨の別の個所を叩いてみて響く
総合診療科/膠原病
循環管理
IVC呼吸性変動あるか?無ければ溢水らしさあり。
心不全の乏尿…①in 不足→in 増量 ②in 過多による腎鬱血→in 減量、利尿
【輸液】
・NS→Kなし外液
・ソリューゲン、ラクテック→K, Caあり外液
・ソルデム1→Kなし、薄めの外液
・ソルデム3A→維持液
【利用薬】
身体所見、画像所見で溢水判断。
低Na、低K作用あり。20mg iv→10mg iv→20mg PO
・トルバプタン (サムスカ)
V2R拮抗薬。高Na、高K作用あり。 [93F, Cre<1, V2Ri 7.5mg/T 0.5T]
【持続投与系】
・オノアクト…β1 blocker。徐脈+低血圧 [ラシックスで引きすぎた]
・ノルアドレナリン…1A 5mL+NS 45mL, 要後押し[メイン NS 250mL 10mL/h]
慢性誤嚥
[菌血症でWBCが上昇する]
[組織内に100%収まっている感染ではCRPは上昇するがWBCは上昇しない]
→抗菌薬選択に際しては組織移行性も考慮すべき。
CRP上昇のみの慢性誤嚥による細菌性肺炎を疑うならば組織移行性の高いものを。
CTRXなど。
☆化学性肺臓炎
吐物や胃酸を下気道に誤嚥したことで化学炎症により肺臓炎が生じる(肺の化学熱傷)
高齢者で一瞬発熱しすぐ解熱する場合はこれの可能性がある。C
RPも上昇しないことがある。
→熱発に関しては全身状態、免疫状態などを考慮の上で経過観察も可。
[steroid投与中なら細菌性肺炎として対応すべきだった]
免疫抑制
<血球減少>
WBC (好中球半減期: 6h~2d)→Plt (半減期: 7d)→RBC (半減期: 120d)の順に減少
reticulo ,monoで立ち上がりをみる
【ステロイド】
WBCもT cellもB cellも全体的に抑制し、即効性がある
その変わり副作用も大きい [便秘になりやすいので下痢は許容]
高用量で使う場合2週に一度程度IgGを計って効果の指標の一つとする。
→IVIG (ヴェノグロブリン)
投与方法やや煩雑。(1時間ごとに投与速度が変わる)
その他の免疫抑制薬→各疾患の原因となるところの一点を抑える
ex) MTX→リンパ球抑制
→最初はステロイドで寛解に持ち込み、免疫抑制薬で維持する<寛解導入療法>
関節リウマチ
※DMARDsの薬効が出るまでには数か月かかるので少量ステロイドでbridgingする。
※seronegative RA
RF (-), RA分類基準で6点以上。高齢者で多く、RAにしては急性の経過をとりうる。
【関節リウマチ分類基準】
【検査】
悪性腫瘍の合併が無いか確認。 (paraneoplastic)
IP所見→RAによるIPか、ステロイドによるPCPか。KL-6だけでなくβ-D glucanも採血。
※PCPは一晩で10L O2となりうる病態であり要注意。
【csDMARDs: conventional synthetic DMARDs】
とにかくMTXがkey drug
・MTX PO 使い方
MTX効かなければ他のcsDMARDsに変えるかbio追加
csDMARDs 2剤には基本的にしない
IPあり→TAC
【bDMARDs: biological DMARDs】
・感染、心不全、悪性腫瘍が副作用
結核ELISPOT
潜在性結核にはINH 5mg/kg (<300mg) 6-9 month
RFP 10mg/kg (<600mg) 3-4 month
β-D glucan
心不全→TNFαiは避ける
悪性腫瘍→bDMARDsは悪性腫瘍発生リスクあり
・薬剤選択
MTX使用下かどうかが重要(臨床試験がMTX使用患者で組まれていることが多い)
①TNFα阻害薬
ゴリムマブ (シンポニー)
②IL-6阻害薬
トシリズマブ (アクテムラ)
感染があっても症状が出にくく、炎症マーカー上昇がマスクされ気づきにくくなる。
元気でL/Dも軽度異常程度、でも膿瘍形成していたり。。。
③T細胞共刺激阻害薬
アバタセプト (オレンシア)
マイルド。高齢者に。
リツキシマブも??
【シェーグレン症候群】
眼科コンサルト…涙腺機能チェック
口腔外科コンサルト…唾液腺機能チェック(gum test), 唾液腺生検
→特定疾患取得しbio製剤を経済的負担なく使用できる
【omaav: ANCA関連血管炎性中耳炎】
【ipf nsip op】
薬疹
【身体所見】
※蕁麻疹型薬疹以外は遅延型アレルギー
※粘膜疹(眼、口、陰部)あるか必ず確認。皮膚科、適宜眼科にもコンサルト。
・播種状紅斑丘疹型薬疹
一般的な薬疹。丘疹+
・固定薬疹
色素沈着を残す。重症薬疹への移行あり要注意。
・光線過敏型薬疹
感作薬への暴露+日光暴露(顔、手など)
・蕁麻疹型薬疹
即時型アレルギー。アナフィラキシーに注意。
・多型紅斑型薬疹
標的状の紅斑。重症薬疹への移行あり要注意。
【処置】
・被疑薬の中止
軽症ならば1剤ずつ中止する。
※初回暴露の薬剤は被疑薬ではない。
感作…2週間程度 [8日]
惹起…感作(or 交差感作)成立後に暴露されることで発症
※直前が1~2日前に暴露された薬剤が被疑薬
即時型アレルギー…IgE主体、15minくらい
遅延型アレルギー…T cell主体、48hくらい
→『1~2週間前に開始し続けていた薬』は被疑薬に挙がる。
・処方
症状に応じポララミンiv+ビラノア眠前PO+ポララミン頓服
ステロイドも考慮
【病型】
SJS
粘膜疹+の多型紅斑
TEN
粘膜疹+、広範な多型紅斑
DIHS (Drug-induced hypersensitivity syndrome)
抗けいれん薬などで発症。
肝機能障害、腎機能障害を伴う重症型薬疹+HHV-6再活性化(突発性発疹)
栄養
Refeeding
NICE guideline
refeeding syndrome (medicina 51巻13号) | 医書.jp
refeeding syndrome (臨床雑誌内科 120巻1号) | 医書.jp
・栄養は10 kcal/kg/dayから
・Re-Feeding症候群リスク高ければ5 kcal/kg/dayから
・2~5kcal/kg/dayずつ増量
・ケトーシス予防のためGlu 50~100g/dayは補充する。
・10%脂肪乳剤100~200 mL/day以上
https://webview.isho.jp/journal/detail/pdf/10.15106/J00974.2017288243?searched=2
・低栄養患者への栄養開始で肝酵素上昇が見られることがある
①そもそも飢餓による肝酵素上昇 (オートファジー) [入院時AST 200]
→栄養により肝酵素は減少していくので栄養は構わず増量
②飢餓後の栄養による一過性の肝酵素上昇 [入院時AST 200, 栄養開始5日でAST 500]
→肝酵素跳ね上がっても気にせず栄養
③Refeedingによる上昇 (週単位で発症、AST 100程度、らしい)
→栄養は当然減量する
経管栄養
血糖スパイクしやすい
下痢→ゆっくり、半固形にする
半固形で水を使う場合は先に水を流す。あとから流すと半固形剤が水を吸って逆流してしまう
抗精神病薬、睡眠薬、抗てんかん薬など
不穏→まずはリスパダールでOK
SNRI: Serotonin NorAdrenalin Reuptake Inhibitor
・意欲衰退や気力衰退
・衝動性を伴わない漠然とした不安
☆デュロキセチン (サインバルタ)
慢性疼痛改善、活力低下作用がSSRIより小さい
SSRI: Selective Serotonin Reuptake Inhibitor
・抑うつ気分の症状が前面に出ているときに使用する。
・強迫的で被害的な内容(認知機能の障害)を伴う不安
SARI: Serotonin 2 Antagonist and Reuptake Inhibitor
セトロニン遮断再取り込み阻害薬
・中途覚醒に
・即効性は無いが安い
GABAR親和性亢進
・依存性
・せん妄リスク
・呼吸抑制
☆クロナゼパム (リボトリール)
抗けいれん
鎮静
抗不安
オレキシン受容体拮抗薬
・入眠障害に
・依存性が小さい
・筋弛緩作用が弱い
・呼吸抑制が弱い
☆レンボレキサント (デエビゴ)
主にオレキシン2受容体を阻害
☆スボレキサント (ベルソムラ)
Tmax: 1~2h, T1/2: 12h
メラトニン受容体作動薬
☆ラメルテオン (ロゼレム)
・中途覚醒に
・即効性は無い
【不眠不穏時指示】
[処方例]
内服可能時
①デジレル25mg 1回1錠 1時間以上あけて1日3回まで
②リスペリドン液0.5mg 1時間以上あけて1日3回まで
内服困難時
①アタラックスP 1A+ NS 50mL drip 入眠止め、覚醒時再使用可能、1日合計2Aまで
②①不応時、または不穏強く危険な時
ハロペリドール0.5A + NS 50mL drip 入眠止め、覚醒時再使用可能、1日合計1Aまで
抗血栓薬
抗血小板薬
☆PPIも同時に処方する
https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide07_08.pdf
【バイアスピリン】
初回200mg, 以後100mg
【クロピドグレル (プラビックス)】チエノピリジン系薬
CYP2C19遺伝多型により日本人では20%ほどpoor metabolizerがいる
脳梗塞後のDAPTは発症から21日間
初回300mg, 以後75mg
【プラスグレル (エフィエント)】チエノピリジン系薬
CYP3A4/CYP2B6などにより代謝され、poor metabolizerが少ない
【シロスタゾール (プレタール)】PDE3阻害薬
PDE3は主に血小板・心臓・血管平滑筋に存在→血管拡張作用を持つ抗血小板薬。
抗凝固薬
・直接トロンビン阻害薬
【ダビガトラン (プラザキサ)】
・FXa阻害薬
【リバーロキサバン (イグザレルト)】
腎機能以外では減量不要
【アピキサバン (エリキュース)】
【エドキサバン (リクシアナ)】
・抗トロンビン薬
【アルガトロバン】
トライポッド構造がトロンビンの活性部位の近傍に立体的に結合することにより、トロンビンによるフィブリン生成、血小板凝集及び血管収縮の3つの作用を抑制する。
HIT症例では、アルガトロバン0.7μg/kg/分で投与開始し、APTT が1.5~3.0倍(出血リスクのある患者では1.5~2.0倍)になるように投与量を調節する。
脳梗塞後の3剤併用抗血小板療法としての利用は微妙